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9月30日のまにら新聞から

学びでもう一度社会の一員に 更生施設の教育制度

[ 626字|2018.9.30|社会|新聞論調 ]

 数年前、さまざまな事情から学校教育を受けられなかった人に学びの機会を与える代替教育制度(ALS)を視察したことがある。教育の大切さを説く者として、ALSがどのように機能しているかを見るまたとない機会だった。私が訪れたのはルソン地方タガイタイ市の小さな更生施設だった。

 まず驚いたのは、山や川を乗り越え道なき道を行く教員らの勇姿だった。中には、ごみ収集車をヒッチハイクして通っている強者もいた。彼らの役目は、人生でまともな教育を受けたことがない麻薬犯罪を犯した収容者を指導することだ。

 私はALSを受ける収容者と接する中で、いかに教育が人の目を開かせるかということを目の当たりにした。彼らは学ぶうちに自らが過去に犯した過ちに気付くだけでなく、ゆっくりと自らを成長させていた。

 教員らが大きな苦労をして通っていることを知ってか知らずか、それに答えるように、収容者らは矯正プログラムの中で目を見張るような内面の成長を遂げていたのだ。

 また、ドゥテルテ政権の麻薬戦争はいまなお苛烈さが衰えることはないが、私は更生施設で収容者のことを気にかける警察官や刑務官にも多く出会った。彼らは収容者の矯正をこの国の発展の一部として考えていた。

 国民の中には麻薬取り締まり政策の暗い側面にあまりに多くの注目を払う人もいるが、別の面に目を向ければ、この国の大事な一員として麻薬犯罪者を更生させようとしている人々もいるのだ。(28日・スター、ピア・モラト)

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