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9月23日のまにら新聞から

災害は貧困の問題 より良い生活の機会を

[ 650字|2018.9.23|社会|新聞論調 ]

 たとえ楽天主義を失わない努力の中でも、台風の被害は被災者を痛みや絶望で圧倒する。台風は被害者を選ばず、貧富にかかわらず誰にでも暴力を与える。しかし、より豊かな者は最大規模の台風でも十分な準備ができるという大きな違いもある。資産のない者、最貧困層などは常に最も打撃を受ける。彼らの家は吹き飛ばされ、行くところは避難所があるだけだ。

 一度大きな災害が起きると政府は素早く、より寛大にふるまう。しかし、公立学校が被災者を収容できると想定し、避難所はほとんど建設してこなかった。学校はある時点までは被災者の収容が可能だが、教育の混乱を招くことになる。そして避難所に長く残る者の多くは貧困層だ。

 つまり、自然災害の問題は貧困の問題と言える。鉱山労働者を生き埋めにしたイトゴン町の土砂崩れも貧困が原因だった。貧困層は二つの理由で住む場所が決まってしまう。法的権利がなくても一時的であれ嫌がらせを受けない場所。そしてイトゴン町の現場のように、危険でも生きるだけの所得を得られる場所だ。

 つい最近までほとんどのフィリピン人は土地を持っていなかった。貧困層の中で書類を準備できる人たちは海外で就労して所得を得て、事態はやや改善した。しかし、その夢を見れるのは貧困層のうち3割に満たない。

 土地がないとホームレスとなり、飢えや所属意識の欠如につながる。国土への愛を失い、貧困を招く。「ビルド(建設)・ビルド・ビルド」というならば、貧困層にもより良い生活の機会を与えるべきだ。(21日・インクワイアラー)

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