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5月18日のまにら新聞から

自治体リーダーは責務を果たせ バランガイ議会選挙

[ 751字|2018.5.18|社会 (society)|新聞論調 ]

 バランガイと青年評議会の選挙が実施された。今後は当選者たちが公約を実行に移す時だ。選んだ住民たちも、6月30日から新たな任期が始まるこのバランガイや青年評議会の議長や議員らが責務を全力で果たすよう激励し、見届けなければならない。

 今日、われわれの地域生活を脅かす大きな課題は麻薬問題と失業対策だ。貧困をつくり出すこれらの問題は国家レベルでの対策がもちろん必要だが、解決するためには問題を「地域化」して、より焦点を絞って対策を練ることが重要だ。上院議員だった時に1991年度の地方自治体法の立法化に関わり、ラグナ州知事および内務自治長官を務めた経験から、私はこの法律の条文を実施に移せば国家的な課題も自治体レベルで解決できると考えている。

 バランガイ議会は特にこの法律の第16項を活用すべきだ。ここでは住民の福祉を向上させるために大切な施策を実施する権限をバランガイ議会に付与している。つまり、自治体ごとの公共モラルや経済的繁栄の向上、社会正義や雇用の促進、治安の維持、利便性や快適な生活の持続である。同法第391項では、住民の福祉や経済状況を改善するためバランガイ議会に共同体企業の設立と促進を支援するよう義務付けている。バランガイのリーダーたちは雇用創出プログラムを自分たちで実施できるのだ。雇用が確保できれば犯罪に手を染める住民も減る。

 また別の条項ではバランガイ議長に環境保護と汚染物質の排出規制も義務付けている。世界的環境NGOのグリーンピースは昨年、フィリピンを世界で3番目に最悪な海洋汚染物質排出国とランク付けた。このような悪いイメージを変えるためにもバランガイレベルでの排出規制が重要だ。バランガイ役員には与えられた責務を果してほしい。(14日・ブレティン、ジョーイ・リナ)

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