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1月15日のまにら新聞から

頻発する海賊襲撃 隣国と共同取り締まりを

[ 712字|2017.1.15|社会|新聞論調 ]

 発見された遺体は手を縛られ、銃弾を何発も被弾していた。サンボアンガ市の沖合の小島付近でつい昨日、漁師8人がスピードボート2台に分乗し武装した海賊に殺されたのである。別の漁師7人は銃撃された際、海に飛び込み泳いで逃げた。

 これは同地域で頻発する海賊による襲撃事件の最近の例にすぎない。海賊による襲撃事件が絶えないため、バシラン、スルー、タウィタウィ地域における開発事業や貧困削減などを進めることができず、武装闘争が逆に増えている。これらの地域でイスラム過激派、アブサヤフなどの武装集団の活動が盛んであることは海賊事件とも無関係ではない。 

 海賊行為が頻発する海域はフィリピンだけではなく、隣国のマレーシアやインドネシアにも接している。海賊集団は通常、身代金を要求できる一族や企業、政府などの後ろ盾を持つ人間を誘拐する。それだけに今回、8人の漁師が殺された理由は不明だが、この地域でよく見られる部族間の紛争が背後にあるかもしれないと当局ではみている。

 理由はどうであれ、政府は今回の襲撃を契機に同地域での海賊対策にもっと注力すべきである。海賊行為はミンダナオ地方の島しょ州における経済活動を悪化させるだけでなく、他の地域の観光にとってもマイナスのイメージとなり、観光業に負の影響を与える。過去にはマレーシアの有名観光地で誘拐された外国人観光客がフィリピンのアブサヤフに身柄を引き渡されたケースもあった。

 今回の海賊襲撃事件を受け比政府は海賊対策を強化するため、隣国との関係をさらに強めるべきである。沿岸警備隊や海軍による合同パトロールを実施するなど、関係諸国が海上航海の治安を守るべきである。(11日・スター)

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