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12月11日のまにら新聞から

警察の肩を持つな 捜査結果を軽視する真意

[ 719字|2016.12.11|社会|新聞論調 ]

 ビサヤ地方レイテ州のエスピノサ町長が11月上旬に拘置所内で射殺された事件で、国家捜査局(NBI)は「警官との撃ち合いが原因ではなく、計画的殺害だ」と断定する捜査結果を発表した。しかし、ドゥテルテ大統領は意に介していないようだ。

 首都圏マンダルーヨン市で7日に行われたイベントの際、大統領は「NBIが殺害だと結論付けたとしても、(関与した)警官たちを刑務所送りにすることはない」と語り、続けて「いずれにしてもNBIは私の管轄下、司法省もしかりだ」と断言し、半ば脅迫めいた発言をした。

 その後に行われた国軍参謀総長の交代式典では、NBIの捜査結果に信ぴょう性はないと繰り返し「目撃者がいないのになぜ殺害と結論付けられるのか」と疑問を突き付けた。

 しかし、NBIの結果は目撃者だけでなく、科学捜査にも基づいている。

 第1に、警官隊が拘置所に押し入る際に所持していた逮捕状は、虚偽の供述に基づいて裁判所が発給していたことが判明した。第2に、防犯カメラの映像から、警官隊が拘置所に押し入ったのは午前3時5分で、警官が上院で証言した時間(午前4時10分)から大幅にずれていた。

 さらに、町長と警官隊が撃ち合ったとされる仮説に矛盾する証言なども得られた。

 NBI報道官は「捜査チームは犯行現場の再現に最善を尽くした。科学的捜査は供述証拠と一致しており、(警官による明らかな)犯意があったと認められる」と主張した。

 確たる証拠が複数存在するにもかかわらず、町長と撃ち合ったと主張する警官側に傾斜する大統領の真意を測りかねる。これは文字通り、事件をもみ消すために警察の肩を持っていることに他ならない。(9日・インクワイアラー)

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