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11月6日のまにら新聞から

新聞論調

法的課題の解決を スカーボロ礁漁業再開

[ 714字|2016.11.6|社会|新聞論調 ]

 スカーボロ礁は、南シナ海における中国との領有権問題の火種となった。

 2012年、フィリピンの漁船は中国艦船の放あ水によって自身の伝統的漁場から追いやられた。その結果、比政府は南シナ海のほぼ全域の領有権を主張していた中国を相手取って提訴。スカーボロ礁はルソン地方サンバレス州の西150カイリに位置し、国連海洋法条約(UNCLOS)に基づいた200カイリ排他的経済水域(EEZ)内にあると主張した。

 オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は16年7月、スカーボロ礁は比中両国の伝統的漁場で、中国が主張する南シナ海の領有権には法的根拠がないという判断を下した。しかし、中国は南シナ海の歴史的領有権を主張して仲裁判断を受け入れなかった。

 中国の非協力的な態度を見て、比政府は法による領有権問題の解決を断念。ドゥテルテ大統領は、スカーボロ礁から4年も追いやられている比人漁師が同礁に戻ることができるよう呼び掛けると表明し、10月21日、外遊先の中国から帰国すると、漁師はすぐにも同礁に戻ることができるだろうと演説した。

 大統領が中国で政府高官と会談した際、中国側はスカーボロ礁における比人漁師の漁を正式に「許可」しようとしたという。しかし大統領側は、同礁における排他的権利を持たない中国が漁を「許可」することはできないとして、中国側の申し出に反対した。

 大統領の親中路線の結果、中国の好意でわが国の漁師は同礁で漁を再開できた。それには感謝する。大統領の訪中は成功した。しかし、スカーボロ礁は比のEEZ内にあり、われわれが開発、操業する権利を持つことは事実だ。法的な課題は将来、解決されなければならない。(2日・ブレティン)

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