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広域詐欺容疑者2人を送還 「ルフィ」一味の20代邦人

[ 790字|2024.3.27|社会 (society) ]

比入管がルフィ一味の2人を日本へ強制送還。電話詐欺の「かけ子」をしていた疑いで東京簡易裁判所から逮捕状

送還される直前のシモエダ容疑者(後列中央左)とスガノ容疑者(同右)=入管提供

 出入国管理庁(BI)は26日、「ルフィ」と呼ばれる指示役の渡辺優樹容疑者らによって率いられていた広域連続強盗・特殊詐欺グループの一員とみられる20代の邦人2人を日本に強制送還したと発表した。送還されたのは、スガノ・カズシ容疑者(28)とシモエダ・サイト(25)容疑者。2人は同日午前9時45分、日本航空JL746便(マニラ~成田)でフィリピンから送還された。大規模な特殊詐欺に関与した疑いがあるとして東京簡易裁判所から逮捕状が発付されていた。うそ電話詐欺の「かけ子」をしていたとみられる。

 スガノ容疑者は2019年9月15日、シモエダ容疑者は同年11月1日に観光客として比に入国。2023年2月10日に日本政府が比政府に両容疑者の情報を提供したことを受け、同2月17日に比当局は両容疑者を「好ましからざる外国人」に指定。2023年3月16日には両容疑者への強制送還命令が発出された。

 シモエダ容疑者は同年11月16日にセブパフィック(マニラ~名古屋便)で出国しようとしたところを、マニラ空港第3ターミナルで拘束。拘束当初は入管のカウンターに体をぶつけ負傷を装って拘束を逃れようとしていた。スガノ容疑者も同年11月14日に拘束されており、両容疑者は首都圏タギッグ市の入管収容所に送られた。

 入管は、両容疑者が比国内で刑事訴訟を抱えていないかを国家捜査局(NBI)に確認。昨年12月6、21日にそれぞれ問題ないとの連絡を受けた。今年3月18日に、日本政府から送還の手配の詳細を受け取り、26日に実施された。

 BIのサンドバル報道官は送還直前の両容疑者を伴って開いた会見で、「この犯罪集団のメンバーはまだ比国内にいる可能性がある。日本の捜査当局と緊密に連携している」と述べた。また、タギッグ市の入管収容所に収容されている日本人が5人いることを明らかにした。(竹下友章)

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