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2月16日のまにら新聞から

マニラ湾の大腸菌群220倍に 下院議員 浄化対策訴え

[ 792字|2021.2.16|社会 ]
ドロマイト砂でマニラ湾遊歩道沿いにビーチを造成した環境天然資源省の工事=2020年9月12日、マニラ市で澤田公伸撮影

 下院副議長を務めるリト・アティエンザ下院議員(政党リスト制選出)はこのほど、市民団体が周辺自治体や政府機関などにマニラ湾の水質改善を要求して最高裁に提訴して22年が経過したにもかかわらず、同湾における最近の大腸菌群の水準が提訴時に比べて220倍以上も悪化しているとし、改めて水質改善を呼びかける声明を出した。15日付英字紙マニラブレティンが報じた。

 最高裁は提訴から9年後の2008年に市民団体の訴えを認める判決を下し、周辺自治体や政府機関、水道会社などに対しマニラ湾の水質改善を義務付けた。19年にも、下水処理システムの普及を進めなかったとして首都圏に水道を供給する水道会社2社に対して18億4千万ペソの罰金などを科す判決を下している。

 1998年から3期連続でマニラ市長を務め、アロヨ政権下では環境天然資源相も務めたアティエンザ議員は「(提訴時の)マニラ湾の海水サンプルに含まれていた大腸菌群数は100ミリリットル当たり5万〜8万MPN(最確数)だったが、最近の水質調査では1100万〜5400万MPNまで増加している」と指摘している。

 日本の海水浴場などでの大腸菌群の基準はおおむね100ミリリットル当たり1000MPN以下が妥当とされている。マニラ湾では昨年9月、環境天然資源省の同湾整備事業の一環として、セブ島からは運んだ白砂を敷き詰めたビーチ造成が行われているが、水質は海水浴を行うには論外の数値であることがあらためて明らかにされた。

 水質悪化の原因として同議員は「首都圏と近郊の住民1630万人のうち下水処理施設の恩恵を受けている住民の割合は全体の15%に過ぎないためだ」と説明。増加する人口に対して水道会社が敷設すべき下水処理施設網が全く追いついていないため、生活排水がそのまま川などを通じてマニラ湾に流れ込んでいることが原因と指摘した。(澤田公伸)

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