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4月23日のまにら新聞から

悪化の責任は誰に

[ 712字|2012.4.23|社会 (society)|新聞論調 ]

ミ地方電力不足

 ミンダナオ地方の電力不足は、エストラダ、アロヨ両政権時代に解決されるべきだった。問題は当時、誰も切迫感を持たず、他の事案を優先させたことだ。

 このところ、アルメンドラス・エネルギー長官は辞任すべきだとの声が現政権批判勢力から出ている。とんでもない。エネルギー長官は過去1年半、職務に精励してきたし、その経済界における輝かしい実績をみても、長官にふさわしい能力がある。もし、彼が辞任すれば、破滅を意味する。

 ミンダナオの電力不足で非難されるべきなのは、エネルギー長官ではなく、地元選出議員や州知事、市長たちだ。電力生産のコストを引き下げるため、2001年、電力業界改革法が成立して以来、ミンダナオ地方だけが2つの国営水力発電所の民営化を拒否してきた。彼らの自尊心とうぬぼれ、権力欲、そして腐敗が成せる業である。

 さて、ミンダナオ地方で今、何が起きているのか。3月最終週現在、送電27社のうち、ほぼ半数に当たる13社の送電地域では停電が起きていない。停電の起きていない最大都市ダバオの余剰電力を不足地域へ送れないものか。

 要するに、不足地域を賄うほどの余剰電力がないのである。やはり、新たな発電所が必要になる。しかし、悲しいかな、新発電所の完成は13年まで待たなければならない。

 当面の解決策は、同地方にある2隻の発電船(パワーバージ)の活用に加え、法的な問題で運転を停止しているイリガン・ディーゼル発電所の稼働だろう。

 会計検査院(COA)は、イリガン発電所の運転再開の障害になっている法的問題の解決を急ぐべきである。電力業界改革法の改正も推進しなければならない。(16日・スター、サラ・グスマン氏)

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