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6月28日のまにら新聞から

トイレ不足の解決を

[ 721字|2010.6.28|社会 (society)|新聞論調 ]

マニラ空港

 マニラ空港でまた「事故」が起きた。航空機用無線標識が壊れ、国際・国内50便以上の発着に影響が出た。長時間にわたり足止めされた乗客のストレスと憤りの大きさは想像に難くない。

 一方、マニラ空港公団の関係者らは「故障した無線標識は、さまざまな管制システムの一つにすぎない。無線標識がなくても管制業務は続行可能だった」、「(サンバレス州の)スービック国際空港から機材を借り受け、迅速に運航を再開させた」などと影響の軽微さを強調し、乗客の感情を逆なでした。

 同公団のマティバグ総裁によると、故障した無線標識は製造からすでに15年が経過しており、今後、9千万ペソをかけて交換を進めるという。

 安全航行のためのシステム整備が重要なことは言うまでもないが、同総裁に特に要望したいのは空港ターミナル内のトイレ整備だ。

 わたしがよく利用するマニラ空港第2ターミナル内の女性用トイレは4カ所しかない。さらに、1カ所当たりの便器は3つだけ。順番待ちの列を見れば、数の不足は一目瞭然(りょうぜん)で、身体障害者用トイレを使おうとする乗客もいる。ターミナルの設計者に「利用者数に見合った数のトイレ整備をなぜ怠ったのか」と文句の一つも言いたくなる。

 老朽化の進む同空港第1ターミナルの状況はさらに深刻だ。数の不足だけでなく、トイレ内の洗面所で皿を洗ったり、手洗い乾燥機をヘアドライアー代わりにする空港職員すらいる。3月に就任したばかりのマティバグ総裁は第1ターミナルの改修・拡張事業や空港での人身売買対策に躍起なようだが、これらはすべて支持する。代わりに、清潔で十分な数のトイレを早急に整備してもらいたい。(21日・マラヤ、エレン・トルデシリャス氏)

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