警官強盗
首都圏マニラ市マラテ地区で警官装った比人男性3人が邦人男性旅行者を恐喝
12日午前11時半ごろ、首都圏マニラ市マラテ地区の商業施設前の路上で、日本人旅行者の男性(65)=東京都墨田区在住=が、警官を名乗るフィリピン人男性ら3人に、たばこを路上に捨てたなどと言いがかりをつけられ、現金5千ペソを脅し取られた。日本人男性が首都圏警察マニラ市本部に被害届を出した。
被害に遭った日本人男性によると、友人の比人女性(45)から借りた乗用車で、比人運転手(28)と共に、宿泊していた同地区マビニ通り沿いのホテルから商業施設まで買物に行く途中で事件に遭った。
路上にいた2人の比人男性の指示で、乗用車を止めめたところ、1人が片言の日本語で「たばこを道に捨てたのを見た」などと言い、「本来ならば、入管に行って罰金1万ペソを払わなければならないが、ここで払うなら5千ペソだけでよい」と脅してきた。日本語を話す男性は、白いシャツを着ており、もう一人は警官の制服らしきものを身につけ、帽子をかぶっていたという。
日本人男性は、その時たばこを吸っていなかったので、自分ではないと否定し、吸い殻を見せるよう求めたが、2人が見せた吸い殻は日本人男性の吸っている銘柄とは異なっていた。なおも否定し続けたが、2人は運転手を車外に出すと、乗用車の後部座席に強引に乗り込んできた。日本人男性は助手席に座っていた。
運転手は、2人が乗って来たとみられる白いバン型乗用車に乗せられ、運転席に乗っていたもう一人の男性に監視されていたという。
2人は日本人男性が持っていた巾着を奪い取ると、中に入っていた財布の中身を確認するなどした。さらに、旅券などの身分証明証を出すよう求めてきたが、その時、日本人男性は手元に身分証明証を所持していなかったので拒絶したが、結局、現金5千ペソを払わされた。
2人は乗用車から降り、もう一人が乗っているバン型乗用車に乗り込むと、運転手を解放して走り去った。
日本人男性は、これまで毎年1〜2度、比に来ているが、事件に巻き込まれるのは今回が初めて。バン型乗用車のナンバープレートや、警官の制服らしき服の名札に書かれていた名前は覚えていないという。
警官を装いながら旅行者を狙う強盗は、2011年ごろから多発しており、首都圏マニラ市やパサイ市などで、少なくとも3グループが存在していることが分かっている。(加藤昌平)