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全国6万人の汚職への怒り ケソン市で1兆ペソマーチ開催

2025/9/22 社会
ピープル・パワー・モニュメント付近での集会の様子=21日、首都圏ケソン市で宇井日菜撮影

21日、治水事業大規模汚職問題に対する抗議デモ「1兆ペソマーチ」を開催。全国各地で6万人がデモに参加

首都圏ケソン市で21日、洪水対策事業の大規模汚職疑惑に対する抗議デモ「1兆ペソマーチ」が開催された。参加者らは午前9時に首都圏マニラ市のルネタ公園を出発後、午後2時にピープル・パワー・モニュメントに到着。モニュメント周辺では集会を開催。国家警察の同日午後6時30分時点の発表によると、全国各地のデモで6万1605人が抗議集会に参加した。

 1兆ペソマーチは、先月、過去15年間に渡る政府治水事業の大規模汚職疑惑が明らかになったことを受け、政治家の腐敗を訴える目的で企画された。デモ参加団体らの呼びかけにより、多くの集会参加者が白いシャツやリボンを身に着けた。集会主催者の1人、元和平担当大統領顧問のテレシタ・テレス氏によると、ケソン市では5万人がモニュメント付近の集会に参加した。

 モニュメント近辺にはステージが設けられ、アクティビストなど著名人によるスピーチのほか、アーティストによるパフォーマンスが披露された。比カトリック司教会議議長のパブロ・ダビッド枢機卿は、「無関心で間違ったことに対する感情を殺さないで。私たちの政府を率いる人々に誠実さを要求しよう」と呼びかけ、聴衆が歓声で応えていた。

 デモ参加者らは、「腐ったやつらを逮捕しろ」とシュプレヒコールをあげて怒りを共有した。アクティビスト団体や教会関係者に限らず、老若男女幅広い層の個人参加者も多くみられた。集会地点の前を通るエドサ通りにも人があふれ、付近を通過するバイクや車がクラクションを鳴らし、抗議に加勢した。バットいっぱいに米料理を詰め込み、スプーンで配る参加者も見られた。また、インドネシアのデモで用いられた、人気漫画「ワンピース」に登場する旗を掲げる参加者も複数見られた。

 なお、国家警察の発表によると、全国で36人の成人と13人の未成年を含む49人が、火炎瓶や石の投げ込みで逮捕された。地元紙インクワイアラー(電子版)によると、首都圏マニラ市のアヤラ橋近辺では、顔をマスクで隠した黒ずくめの集団が暴動をおこし、逮捕された。集団は警察官に投石し、近辺に停まっていたトラックのタイヤに火をつけたという。

 ▽怒りを抱く参加者

 個人として参加したフィリピン大学出身の3人組は、汚職疑惑や社会問題に対するそれぞれの思いを語った。初めてデモに参加したマリーさんは、「現在の状況では、まず第一に治水対策事業の整備をするべきなのに、税金が政治家の懐に入っていて非常に腹立たしい」と話した。ジオさんは、「今は洪水や露骨な汚職が横行し、もはや隠蔽さえしていない。自分のためだけでなく、ここに来られない同胞のためでもある」と、話した。レスターさんは、「社会人2年目の者として、税金の割合が異常に高いのが腹立たしい。子供であっても、誰もが怒る権利があると思う。ただお菓子を買うだけでも税金を払わされるのだから。私たちはこれを変えたい」と話した。

 先住民族や貧困層の支援を行う非営利法人「ティニグ・ナン・シランガン」のチノさんとイサさんは、街頭での抗議集会に初めて参加したという。千野さんは、「政府の対応に人々が疲弊しているため、この集会への参加を決めた」と話し、政府からよりよい待遇を受ける国民の権利を主張した。イサさんは、「政府が提供するサービスには多くの矛盾がある。人々はすでに声を大にして、政府が責任を果たし、過ちの代償を払うよう求めている」と話した。(宇井日菜)

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