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ハロハロ

2015/4/13 社会

 日本国籍を喪失したフィリピン国籍の子供たちの長い裁判闘争が終わった。提訴してから5年余、国籍回復の願いは最高裁に届かなかった。民事訴訟の判決言い渡しは、毎回あっけない。主文だけを読み上げて閉廷する。その間、1分にも満たない。裁判官5人が入廷した後、報道写真とテレビ撮影の時間が2分間設定されていたので、静まり返った法廷では沈黙時間の方が長かった。傍聴人は10人足らず、裁判官はほとんど表情を変えない。

 7年前、大法廷で開かれた別の婚外子国籍訴訟の判決場面を思い出した。訴えを棄却した二審判決を破棄し、国籍法の婚外子認知規定を違憲と初判断、婚外子10人の日本国籍を認める原告勝訴の判決が出た。傍聴席を埋めた支援者らの間に喜びの表情が広がり、閉廷後の大法廷は原告の子供と母親たちの歓喜の声と涙で埋まった。法令違憲は戦後8例目とあって、傍聴人が抽選になると知らされ、紹介された大学生に並んでもらった記憶もある。

 判決後、原告代理人の弁護士と弁護士会館で落ち合った。「簡潔なペラペラな内容ですよ」と言って、A4版4枚足らずの判決コピーを手渡してくれた。勝訴した婚外子国籍訴訟で知り合ってから約10年、いろいろとお世話になった。一、二審の口頭弁論では閉廷後に準備書面の交換内容などを丁寧に説明してくれた。「もう会う機会もないでしょうね」と言って別れたが、勝訴して再び喜びの声を聞きたかった。(富)

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