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治安維持より支援を

2013/11/18 社会

被災者の「略奪行為」

 台風ヨランダ(30号)が過ぎ去った後、ビサヤ地方レイテ州タクロバン市では、一部の被災者が商店やショッピングモールに入り込み、水や食料、衣類を持ち出し始めた。これ自体は、高潮に洗われて売り物にならなくなった「ごみあさり」、または生存のための絶望的行為として、正当化できるかもしれない。問題は、半ば暴徒と化した群衆が商店などに押し掛け、テレビや洗濯機、冷蔵庫などの耐久消費財を持ち出し始めたことだ。これは、もはや「ごみあさり」ではなく略奪だろう。

 商品の持ち出しをちゅうちょしたり、止めようとした人もいたはずだ。しかし、我も我もという群集心理が、羞恥心と自尊心を忘れさせたと推察される。さらに、「必要なのだから持ち出してもいい」という、誤った権利意識が社会規範を破らせたのだろう。

 略奪行為を正当化しようとする本能、衝動は、何も特別なものではない。渋滞時、車列に並ぶことの「苦痛」を理由に、車線無視や逆行を正当化しようとする比人運転手も同類と言えよう。さらに、比の政治家も台風被災者や運転手らと同様の精神構造を有している。「選挙区の住民や支持者らが苦しんでいるから」などと言いながら、われわれには公金を食い物にする権利があると思っている。

 基本的な思考が運転手や政治家と変わらないからといって、タクロバン市で起きたことを看過していいわけではない。実際は、その逆で、被災者による略奪行為を大げさに取り上げ、戒厳令布告など過剰な権力行使を狙う連中がいることを忘れてはならない。この連中の策略に乗せられ、「被災地の直面する最大の問題は飢えや疫病ではなく、治安悪化だ」と思うことは、重大な誤りである。(14日・インクワイアラー、ランディ・ダビッド氏)

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