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鬼ごっこと人権

2011/11/21 社会

前大統領の出国阻止

 世界最悪の空港の一つとされるマニラ国際空港第1ターミナルで、デリマ司法長官とアロヨ前大統領という女性2人の「鬼ごっこ」が繰り広げられた。アキノ大統領の亡父の名を冠した空港を舞台にした第1ラウンドは出国を阻止したアキノ陣営の勝ちだったが、第2ラウンドは前大統領の亡父の名を冠したパンパンガ州のディオスダド・マカパガル(クラーク)空港に舞台を移すとみられ、前大統 領が「ホーム」の強みを生かして勝利を収めることだろう。

 それにしても、空港で鬼ごっこをしなければならないような状況はなぜ生まれたのか。その原因は、政権交代から500日以上が経過し、有力証拠・証言が確保されているにもかかわらず、前大統領起訴を実現できていない現政権の対応の遅さにある。これまでに公表されたさまざまな不正疑惑の1件でも起訴されていれば、裁判所命令で前大統領らを国内にくぎ付けにできるのであり、「出国監視」というあいまいな手段を用いる必要もなかったはずだ。

 現政権側は過去の失策を棚に上げて、前大統領らを起訴するまで出国を認めない構えを見せている。しかし、憲法規定の「移動の自由」や「推定無罪の原則」により人権を守られるべき前大統領らにとって、この対応は公正と言えるだろうか。起訴もされていない一般市民が「犯罪にかかわった疑いがある」という疑惑だけで出国を認められず、いつになるとも分からない起訴を座して待たねばならないような事態を招くのではなかろうか。

 デリマ司法長官は、前大統領らの出国を許せば、比に戻ってこない懸念を再三表明しているが、それは一つの可能性でしかない。そのような可能性や疑念を理由に、政府は人権をもてあそんではならない。(17日・スター、フェデリコ・パスクアル氏)

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