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ハロハロ

2011/6/27 社会

 竹の花が咲いた︱︱昨年8月、槙(まき)の茂みで鳥のヒナが3羽かえり、「ビッグニュース」と驚いた、マキリン山のふもとに近い拙宅の庭での出来事だが、その驚きはヒナの時とは大違い。なにしろ、竹が花を咲かせるのは「竹の七不思議の一つ」といわれるほど珍しい。それも種類の異なる二つの竹が最近、ほぼ同時に花を咲かせた。地下茎で伸びる竹は普通、花が咲かず、たとえ開いても、毎年ではなく、数年から数十年の周期といわれ、その花が咲くと竹は枯れるという。

 庭に植えた6種類の竹の中で、今回、花を咲かせた一つは、こちらで「チャイニーズバンブー」と呼ばれる日本の「女竹」に酷似した種類で、背丈が3メートル、茎の直径が2センチ程度。もう一つは「ゴールデンバンブー」。茎は黄色で日本の「金明孟宗竹」に似ているが、背丈は約4メートル。どちらも竹の中では小振りに属する。問題の花は、茎の節や枝先から伸びた40センチほどの穂に10個前後がまばらについている。形も色も稲の穂に似ていて、「花」という言葉から受けるイメージとはおよそ異なる地味な姿をしている。

 マニラ首都圏などのルソン島西南部は、昨年11月から5月まで続いた乾期を終えて、今月から雨期に入った。花が黄色やピンク色のナラやアカシアなどの大木に替わり、今月から火炎樹(正式名・ホウオウボク)の赤い花が緑の草原に鮮やかなアクセントをつけている。花は日に日に増えて、枝を広げた木全体が赤い橙(だいだい)色に覆われ、重たげにさえ見える。同じ満開でも、桜とは違った風情。熱帯のマダガスカルが原産地だからだろうか。夜の帳(とばり)が下りると、拙宅の庭では今、竹伝いに2、3匹の蛍が舞っている。(濱)

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