Logo

30 日 マニラ

35°C24°C
両替レート
¥10,000=P3,910
$100=P5,610

30 日 マニラ

35°C24°C
両替レート
¥10,000=P3,910
$100=P5,610

経済統計の偽装

2009/6/1 社会

GDP修正問題

 二〇〇九年第一・四半期の国内総生産(GDP)実質成長率が〇・四%に減速し、前期比の伸び率がマイナス二・三%に落ち込んだ。前期比の伸び率の落ち込み幅は過去二十年で最大。現政権高官は「景気後退に傾いている」と発言したが、景気後退は半期前からとの見方が正確だ。

 景気後退の定義は二期連続のマイナス成長。ネリ前国家経済開発庁長官が統計を手にして景気後退入りの回避を説明する会見を思い出す。あの統計にもねつ造の疑いが付きまとう。

 国家経済開発庁調整委員会(NSCB)は、〇六年の統計までさかのぼって誤りを認め、経済統計の信ぴょう性を揺るがした。多くの専門家は長年、現政権下での四半期ごとの経済統計の正確性に疑問を呈してきた。

 NSCBは過去三年のGDP実質成長率を大幅に修正した。四半期段階での修正ならともかく、三年前のGDP成長率の修正は許容できない。〇六年のGDP成長率は五・四%から五・三%。過去三十年間で歴史的な成長を記録した〇七年は七・二%から七・一%。〇八年も四・六%から三・八%とした。特に、〇八年第四・四半期のGDP成長率は四・五%から二・九%と大幅に手を加えた。

「修正」が不正確である可能性もある。ねつ造常態化のツケで、統計学者がバラ色の数字をはじき出せない事態に追い込まれたのかもしれない。

 NSCBは四半期ごとの統計で、誤りに気付いていたはず。ねつ造統計を公表し続け、アロヨ大統領がこの統計を基に「目標の達成」を自賛する。NSCBは現政権寄りの政府機関に成り下がった。与党国会議員や財界人は、現政権派のエコノミストを持ち上げ、経済成長を「演出」してきたのだ。(30日・トリビューン)

おすすめ記事

「49人の国籍回復に期待」 石破首相が残留2世と面会

2025/4/30 社会 無料
無料

座評軸 火器の歴史からみる比社会の周縁史(後編) 地酒を武器・弾薬と交換 大月短期大学教授・荒哲

2025/4/30 社会 有料
有料

「親戚に会いたいと伝えたい」 首相面会前に、残留二世松田さん

2025/4/29 社会 無料
無料

定員上回る45人参加 神風特攻隊飛び立ちの地慰霊ツアー

2025/4/29 社会 有料
有料

今年度の奨学金プログラム募集 フィリピン大が貧困家庭向けに

2025/4/29 社会 有料
有料

中部空港便が引き返す セブパシ、技術的な問題で

2025/4/29 社会 有料
有料