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ハロハロ

2008/6/16 社会

 マニラ新聞社二階にある非営利組織(NPO)、新日系人ネットワーク(SNN)の事務所前には毎日、子連れの比人女性が並んで順番を待っている。日本人の父親に捨てられた子の「帰国」問題を相談に来るのだ。つぶらな瞳にすんなりした肢体も今は昔、母親は小太りの体に生活の苦労がにじむ。子らの顔がどこか日本人の面影を宿すのがあわれである。

 日本の最高裁が、父親が認知すれば、両親が結婚していなくても子どもに日本国籍を認める画期的な判決を下した。シングルマザーが市民権を得ている時代に当然の判断だが、智恵のフクロウは夕刻に飛び立つ。いかにも遅すぎる。この間に、比人女性は日本の水商売で働く道をふさがれ、新日系二世たちの多くはフィリピンで義務教育もろくに受けないで育っている。日本人観光客は中絶が禁止されている国に来て、時に女性を妊娠させて帰っていく。

 この判決をかち取るために、いかに多くの心ある人たちが頑張ってきたか。マニラ新聞もあえてその中に入れたい。時代は変わるばかりではなく、人々の努力で変えられるという一面もあるのだ。東京での法廷取材では「後期高齢者」の域にまもなく達する老記者がガンの手術を一週間後に控えて走り回った。八十歳に達したコラムニストは毎週連載のエッセイで、新二世たちの境遇を訴え続けている。一粒の麦が死なず、地に満ちることを心から願う。(水)

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