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理解した上で反対を

2007/9/3 社会

比日連携協定の批准問題

 比日経済連携協定(EPA)に批判的立場を取る国会議員らは、協定の主題をきちんと理解した上で、議論に労力を費やすべきだ。

 協定の主目的は関税、非関税障壁を撤廃するなどして比日間のモノとサービス、資本の流れを円滑化かつスピードアップさせることにある。

 関税撤廃により三十二億︱四十七億ペソの税収が失われ、比政府に不利という指摘があるが、「数量化できない恩恵」があることを忘れてはならない。これら恩恵は日本からの投資増であり、自動車部品などの輸入増である。また、マンゴーやバナナなど比産果実の関税撤廃により対日輸出が増大し、比国内産業の振興や税収増をもたらすだろう。

 元外務長官のシアゾン駐日比大使によると、二〇〇四年に日本国内で消費されたマンゴーのうち、六割は比産だった。協定を批准しなければ、マンゴーに課される日本側関税は三%のまま据え置かれ、既に同様の協定を発効させたメキシコやタイなどのマンゴーに日本市場を奪われてしまう。さらに、日本と経済連携協定を締結したインドネシアも熱帯産果実の日本輸出を狙っている。

 協定を批判する人々は協定発効による「損失」ばかりに目を向けるが、日本国内のスーパーマーケットでは比産果実がタイやインドネシア産に取って代わられようとしている。

 また、貿易産業省の試算では、日本から比への投資額は協定発効後、年間五百五十億ペソに上るとされる。投資分野は自動車関連、衣料、食品分野が有力視され、発効から四年間の累積額は二千二百二十億ペソにも達する。協定が批准されなければ、巨額の投資も他国へ逃げてしまうのだ。 (27日・スタンダードトゥデー)

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