マニラ首都圏マンダルヨン市のグリーンフィールズ地区ゲームビル・ボールパークで、10月25日から26日にかけて第7回フィリピン全国剣道大会(比剣道連盟主催)が開かれた。今大会には日本人含む多国籍な参加者150人超が参加し、フィリピン剣道史上最大規模の大会となった。
この2日間で段級審査とトーナメント試合が行われ、それぞれ110名、145名が参加。段級審査では6級から1級、初段から四段までの段位が授与された。一方、トーナメント試合は個人戦、3人制団体戦、オープン団体戦の3部門が設けられ、個人戦は前年同様、年齢と性別で分けられた7カテゴリーで競われた。前年は比人のみが出場した個人戦だったが、今年は日本人参加者の姿も見られた。また、団体戦ではコーチも含め、各クラブよりチームを組んで参加。マニラ、パンパンガ、セブ、ネグロス、ダバオのほか、マレーシアやシンガポール出身の参加者も加わるなど国際色豊かなメンバー構成となった。
フィリピン剣道連盟(UKFP)のクリストファー・インティン会長は「フィリピンにおける剣道コミュニティの拡大を感じられる大会になった」と喜んだ。
個人戦と団体戦の両方に出場した福永さん(39)は、大会を振り返り「それぞれ違った雰囲気の中で試合をすることができた。団体戦はチームで勝ち上がっていく楽しさがあり、個人戦とはまた違う魅力がある」と話した。フィリピン各地で剣道連盟の活動が活発になっていることにも触れ、「さまざまな道場で良い選手が育っており、大会全体の質が高まってきているのをうれしく思う」と語った。小学1年生から剣道を続けて今年で32年目。「勝ち負けよりも人間性を重んじるのが剣道。剣道を通して自分の成長を感じる」と魅力を語り、「剣道人口が増えており、世界で挑戦する機会も広がっている。フィリピン剣道が今後さらに世界で活躍してほしい」と期待を寄せた。
福永さん同様、両部門に出場したノレンさん(39)は、コロナ禍明けに剣道を始めたという。剣道の魅力について、「(剣道という)芸術そのもの」と語り、「その芸術を通して人格を形成できること、そして規律を学べることに惹かれている」と話した。さらに「剣道の学びは日常生活にも応用できる。だからこそ、日々の暮らしと剣道は深くつながっていると感じる」と述べ、武道を通じて得られる精神的な充実感を笑顔で語った。
日本文化の浸透とともに、剣道に関心を持つ人が増えてほしいと語る比人参加者も多かった。年々規模を拡大している本大会を、いずれは世界を目指す選手たちが活躍できる舞台にしたいという声も相次いだ。(田中希乃花)



