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5月16日のまにら新聞から

教育を止めてはならない コロナ禍での学校閉鎖

[ 625字|2021.5.16|社会 (society)|新聞論調 ]

 先日、ブラカン州のフィリピン人学校教師と話す機会があった。バランガイ(最小行政区)学校の空き教室では、生徒が毎日座っていた机の上に教科書のコピーが積み上げられていた。

 コロナ禍でも生徒に最高の教育を受けさせようと、自分の時間とお金を割いて献身的に取り組む教師の姿に、私は感銘を受けた。オンライン授業に参加するための電子機器を持たない生徒のために、準備したプリントを持って行くこともあるという。

 ドイツでは学校や保育園は最後に閉鎖され、最初に再開される機関となる。予防接種計画では、学校の先生も優先順位が高い。

 WHOは、学校の閉鎖は子どもの健康、社会的、心理的な幸福、教育、発達に悪影響を及ぼすとしている。

 ドイツの名門ハンブルグ・エッペンドルフ大学医療センターの最近の調査によると、学校の閉鎖やオンライン授業により、約3人に1人の子供が心理的問題、不安、鬱(うつ)症状などに苦しんでいるという。

 学校は子どもたちにとっては世界の縮図。家庭と並んで、人との関わり方や争いごとの解決方法など、人生で大切なことを学ぶ重要な場所だ。

 パンデミックが起こる前の生活に早く戻りたいと誰もが思っている。統制された行動は、ニューノーマル(新常態)の条件であり続ける。全員が安全になるまで、誰もが安全ではない。この危機を乗り越えるためには、連帯と多国間の協力が不可欠である。(11日・スター、駐比ドイツ大使 アンケ・ライフェンシュトゥエル)

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