民主主義の柱、強化を期待 司法界の新リーダー
アレクサンダー・ゲスムンド氏が4月5日、27代目の最高裁長官に就任した。国がまだ新型コロナウイルスによる破滅的な影響を受けている中での就任となった。定年制のため、70歳の誕生日を迎える2026年11月6日までの勤めとなる。36年に及ぶ公務の中で輝かしい実績を残してきた同氏への期待は強い。
ゲスムンド氏は1984年にアテネオ大法学部を卒業し、翌年司法試験に合格。85年に訟務長官室で訟務弁護士として働き、98年には「最も優秀な訟務弁護士」として表彰された。
訟務長官補佐となる2002年まで、大統領府行政規律委員会(PCGG)の委員だった。公務員特別裁判所判事を12年間務めた後、2017年8月に最高裁判事に任命された。
法を重んじ、忠実を貫くとされるゲスムンド氏には、正義、平等、公正な手続き、人権の尊重を求める国民の声に応えるべく、司法の舵(かじ)取りが期待される。
司法弁護士評議会(JBC)が実施した公開インタビューでゲスムンド氏は「国民が保持している自由権を、さらに高いレベルに引き上げる」との信念を表明。「憲法では捜索令状や逮捕令状は、調査に基づいた正当な理由なしに発行されないことになっている。告発者や目撃者による宣誓供述書だけに頼ることは、憲法や刑事訴訟規則に違反することだ」と述べている。
ゲスムンド氏の在任中に、民主主義の重要な柱の1つである最高裁が強化されることを、国民の一人として望んでやまない。(5日・マニラブレティン)