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5月9日のまにら新聞から

コロナ防疫規則の徹底を 経済活動制限緩和

[ 635字|2021.5.9|社会 (society)|新聞論調 ]

 新型感染症省庁間タスクフォース(IATF)は1日から首都圏とその近隣州で店内飲食を通常座席数の10%まで認めた。美容院や理容室、ネイルサロンも定員の30%での営業が可能となり、より多くの労働者が生活の再開にこぎ着けた。

 制限緩和は、貿易産業省が推奨し、首都圏評議会の支持を得た。

 しかし、世界中からより危険な新型コロナ変異種が比国内に侵入してきていることを考えると、緩和のリスクは大きい。同省や同評議会は、その決定の結果に責任を負うことになる。

 フィリピン大などの専門家グループ「OCTAリサーチ」は先週末、1日の平均感染者数が18%減少したと報告した。一見良い数に見えるが、実数は依然として悲惨な状況であることを伝えている。2日までの1週間の1日平均感染者数は8209人。死亡率も過去2カ月で急上昇していた。国民の60%以上が食料の入手に不安を抱えている。

 経済活動の制限緩和と引き換えに、防疫規則の徹底はやはり必要だ。電車などの大量輸送機関では、乗客による社会的距離などの遵守が欠かせない。個人宅で密かにスポーツジムが営業されているとの話も聞く。

 首都圏首長らが支持する以上、バランガイ(最小行政区)や自治体の職員には、レストランを含め個人向けサービスに対して防疫規則の徹底を図ってもらいたい。マスクの着用や手洗いなどの基本に加え、社会的距離などの厳守なしには、首都圏の防疫区分は緩和と強化との間を行ったり来たりするだけだろう。(4日・スター)

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