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4月11日のまにら新聞から

政府支援なく現場に絶望 新型コロナ対応

[ 670字|2021.4.11|社会 (society)|新聞論調 ]

 政府は新型コロナウイルス流行への対応を自画自賛し、病院はまだ満床ではないと説明している。しかし、実際には多くの患者が病院を駆け回り、たらい回しにされる状態が続いている。

 アンジェロさんは「父は冷たい扱いを受けて死んだ」とツイッターに投稿した。父が呼吸困難を訴えたのは3月27日。20の病院と政府直営の病院紹介コールセンターに電話したが、らちが明かず、父を連れ自宅付近の病院8カ所を回った。

 行く先々では父の酸素タンクの補充すらできず、自宅に戻るしかなかった。父の呼吸は翌日午前3時に停止。緊急搬送先の病院で「集中治療室(ICU)がない」、大病院では「患者2人待ち」と言われ、ICUのすぐそばで息絶えた。

 ケソン市在住のガルシアさんは3月29日、呼吸困難に陥った父の入院先を探して同コールセンターに掛けると「32人待ち」と言われた。パンパンガ州まで病院11カ所を回った末、バレンスエラ市の病院で12時間待って入院が実現。治療は現在も続く。

 ガルシアさんが病院を探していた31日、保健省は首都圏のICU病床は79%、隔離病床は69%、人工呼吸器は60%と使用率を発表した。

 同コールセンターは明らかに失敗だ。ベガ保健次官は転送機能がなく、30人の職員がここ数週間、1日約400件の電話をさばき切れていない状態を認める。病院の屋外仮設テントに数時間いただけで14万ペソ(保健適用外)の請求を受けた患者もいるという。

 現場では政府の助けも得られず、愛する人の死を目にした人々の絶望が渦巻いている。(6日・インクワイアラー)

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