出国外国人の手続き簡略化 接触減らす狙い
出入国管理庁は8月30日、フィリピン国内に60日以上滞在する外国人が携帯を義務付けられている外国人登録証(ACR─Iカード)について、出国時の提示を不要とする手続き緩和を行った。入管庁のモレンテ長官は出国手続き緩和は「入管における過密状態を防ぐための措置の一部」と述べ、出国する外国人に課していたIカード返還の免除書を取得することも不要とした。
この新方針は2020年末まで有効としているが、新型コロナウイルスの感染状況によっては、早まったり、延長されたりする可能性がある。同長官は「Iカード発行を待ちながら出国する外国人は入管庁に来ずに済み、最前線にいる入管職員へのコロナ感染も減らすことができる」と語った。
入管庁は先に、感染した職員が78人に上り、回復者29人、病院での隔離者1人と公表していた。他は無症状か、軽症なため、隔離施設にいるという。
入管庁のメディナ港湾事業部長によると、Iカード免除書の代わりに、出国する外国人は空港で旅券(パスポート)のほか、滞在許可(ビザ)のスタンプ、Iカード免除料金、出国許可証(ECC)や、再入国、特別帰国の許可証などの領収書が必要になる。領収書は比へ再入国する際に提示を求められる場合があるという。
入管庁は3月、出国時のIカード提出は不要としたが、6月に入管庁来館のオンライン予約制が始まると、Iカード発行と免除書手続きを再開した。しかし、職員に感染が広がり、再び手続きが簡略化された。(8月31日・マラヤ、アシュゼル・ハチェロ)