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8月21日のまにら新聞から

失業者救う構造改革を 世論調査や成長率の衝撃

[ 770字|2020.8.21|社会 (society)|新聞論調 ]

 世論調査機関ソーシャル・ウエザー・ステーションによる7月の聞き取り調査で「失業状態にある」と答えた割合が過去最高の45・5%に達した。人口に換算すると、コロナ禍にあってフィリピン人2730万人が失業状態であることを意味する数字だ。

 この結果について、ロケ大統領報道官は17日の会見で楽天的な評価を下した。コロナ感染拡大が始まって以来、経済が深刻な不況に陥っていることを考慮に入れると「(失業状態は)もっと悪い状況になっていたかもしれない」というのだ。防疫強化で多くの事業所が閉鎖や休業に追い込まれている中で失業状態の成人が半分以下にとどまっているという結果には「励まされた」とも言い、比人の「レジリエンス(回復力)」を見た、と分析してみせたのだ。

 報道官は激しい非難を受けたが、発言は正しいかもしれない。コロナ禍による5カ月間におよぶ経済活動の停滞を考えると、状況はもっと悪くなっていたかもしれない。一方、労働雇用省は失業問題でもっと控えめな評価をしている。今年1月から8月17日までに倒産や人員整理などで失職した労働者を16万人以上としている一方で、比統計庁が4月に発表した失業者743万人が「より正確だ」と同省幹部は述べている。発表から4カ月経過しており、さらなる倒産などで多くの失業者が生み出され、失職した海外就労者の帰国も相次いでいる。

 4〜6月期の国内総生産のマイナス16・5%という数字の方が、むしろ雇用の悪化を分かりやすく示している。失業者には小さな商売を始めるための融資支援なども含めて、生きていくための支援が必要だ。長期的で意味のある職を生み出すために、国内の投資環境が改善されるような構造改革も長年の課題だ。海外からの投資誘致では東南アジア諸国間の競争も激しい。比は乗り遅れてはならない。(19日・スター)

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