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6月26日のまにら新聞から

増え続けるサイバー犯罪 新型コロナの副産物

[ 744字|2020.6.26|社会 (society)|新聞論調 ]

 新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、もう一つの感染症が拡がっているかのようだ。中央銀行や主要金融機関、通信会社が注意を喚起しているデジタル詐欺のことである。

 なかでも「SIMカード詐欺」は、携帯電話の番号を使用して、銀行や電子決済サービスを利用する顧客の個人情報を盗み取るものだ。詐欺犯が通信会社の代理店関係者になりすまして架空のプロモを紹介し、SIMカードの交換を勧めるケースが多い。詐欺犯がカード利用者の名前・住所・生年月日などを得てから本人になりすまし、通信会社にカードの交換を求める方法もあるという。

 通信会社は、利用者が紛失か破損したとしてSIMカードを無効にし、詐欺犯は新たなカードと利用者の個人情報を使って電子決済サービスのアカウントにアクセスできるようになる。詐欺に気づいて通報した時には口座の残高も詐欺犯も消え失せている。

 金融機関などの業者は被害者に責任を負わせることはないものの、デジタル詐欺の損失は大きい。利用者の財産が盗まれるだけでなく、金融機関にとっては保険や損失引当金のコストが上がり、結果的に顧客の手数料に跳ね返ってくる。

 新型コロナウイルス流行以降、オンライン決済は大幅に増えた。通信大手のグローブの電子マネープラットフォームGcashは、決済数がなんと700%増加したという。

 慣れないユーザーを狙った犯罪が横行するのも当然だ。犯罪者のスキルは政府機関よりもずっと高く、摘発は極めて困難だ。啓発と防止に勝る対策はなく、中銀などは注意喚起を続けている。とはいえ、政府はサイバー犯罪への対応方法を見直すべきだろう。こうした犯罪は、コロナ以後の「ニューノーマル」の一部として増え続けるのは確かなのだから。(24日・マニラタイムズ)

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