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6月19日のまにら新聞から

ジプニーも神様も認めよ 省庁間タスクフォースへの提言

[ 730字|2020.6.19|社会 (society)|新聞論調 ]

 市民は日に日に新感染症省庁間タスクフォースへの不信を募らせている。情報通信技術省のリオ前次官は、辞任の原因がタスクフォースの方針に反対したためだったと明らかにした。同氏は感染経路特定のための戦術を提出していた。それは政府の情報とあらゆるモバイルアプリを使って集めたデータを分析して感染経路を追跡する管理システムをつくり、状況を監視するというものだ。しかし、タスクフォースの決定は、#StaySafeという一種類のアプリを選定しただけ。ユーザーはたった100万人で、使いやすさやデータの集めやすさ、信頼性も明らかではないものだ。タスクフォースは、一連の経緯を説明しなければ、市民の信頼を失うばかりだろう。

 タスクフォースの賢い坊っちゃんたちが居眠りしているとしか思えない理由は他にもある。ジプニーの運行再開を禁じたままであることだ。いくら首都圏鉄道(MRT)やバスの運行を再開しても、駅やバス通りに行く手立てがなければ、労働者は通勤できない。プラスチック製の仕切りや運賃箱を設置すれば、常に換気されているジプニーの運行は問題ないはずだ。ジプニーについては筆者の友人がこんなアイディアを思いついた。企業が従業員の通勤用にジプニーを貸し切るというものだ。運輸相の意思があれば早急に対応できるはずだ。

 さらに、もう教会も開放するべきだろう。通常の半分の定員にし、感染予防の呼びかけを行った上でだ。戸や窓を開けて換気した状態での1時間のミサに出席するのは、エアコンが効いたオフィスで一日中働くよりずっと安全だ。カトリック教徒である大多数の比人、他の信仰をもつ比人のことを考えれば、「信仰は不要不急だ」などと言えまい。(16日・スタンダード、ゲイリー・オリバー)

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