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2月23日のまにら新聞から

フィリピン手話を守れ 国際母語の日

[ 654字|2020.2.23|社会 (society)|新聞論調 ]

 2月21日は毎年「国際母語の日」だが、今年のテーマは「境界なき言語」だ。国連教育科学文化機関(ユネスコ)によると、世界で話される約6千語のうち43%以上が消滅の危機にさらされている。言語の消滅は文化や知的遺産がすべて消滅することだ。聴覚障害者と手話の世界も同じような状況にある。タイやベトナムの手話のようにフィリピン手話も危機にさらされるかもしれない。

 2004年、比手話の研究者は、ここ20年で比手話に急激な変化が起きていると指摘した。それ以来、比人のろう者は13年の法律で比手話が聴覚障害者の子どもの教育で使用されると定めさせ、18年には、比手話を国の公用手話として司法、メディアなどでの使用を義務付けた。

 これらの政策は比手話を差し迫った死から救ったが、行政での使用に際し難しさは残っている。植民地時代から残る言葉への凝り固まった態度と偏見があり、それが比手話の普及をはばんでいるのだ。比手話はアメリカ手話の帝国的な圧力から逃れ、境界と独自性のために戦っている途中だ。

 言語はろう者の文化の構成とディスクール(言説)においても重要だが、比のろう者のアイデンティティーの概念はずっと遅れている。彼らは学校や教会などのコミュニティーに結びつけられる。彼らが使う手話は自身のアイデンティティーではなく、指導媒体としての2次的な機能のみとなる。

 境界を取り除くことが包括と多様性を促進するのは事実だ。だが、弱い言語や文化はただ存在するためだけに境界を守ってもいる。(21日・インクワイアラー)

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