いい加減な措置 卑屈さ示す 台湾への渡航禁止
フィリピン人海外就労者(OFW)と台湾政府の怒りが、いい加減な措置を取った比政府を驚かせた。比人の台湾への渡航と外国人の台湾からの入国を禁止したことに対する怒りだ。
ドゥテルテ政権は中国本土、香港、マカオに対する渡航禁止措置を2日に課した。台湾は言及されることはなかった。しかし、10日になって突然、おそらく後付けで台湾も渡航禁止対象に含まれるとの見解を保健省が示した。乗客数百人が台北行きの便から降ろされ、多くのOFWがマニラ空港に足止めされた。航空会社は台湾便を取り止めた。
新型コロナウイルスに対応する省庁間会議は8人の閣僚が参加しながら、渡航禁止措置について議論するのに1週間もかかっている。
台湾は独立した民主国家で2月10日時点で新型コロナウイルスの患者は18人しかいなかった。6万8千人以上いた中国とは異なり、シンガポールにはアジアで最大となる72人がいた。
保健省のドミンゴ次官は中国と台湾の報告を合わせるという世界保健機関(WHO)の方針に従っただけとし、パネロ大統領報道官は「渡航禁止はWHOの勧告による」と述べたが、WHOにより否定されている。
台湾には16万人以上のOFWがいる。2国間の貿易額は119億ドルに達し、2018年の比から台湾の観光客は42万人、台湾から比へは24万人だった。
比政府の不合理な措置は、政権の中国への卑屈さをあらためて示し、怒りと混乱を広く招いた。(18日・インクワイアラー)