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5月31日のまにら新聞から

教職は偉大な特権だ 比大の新米教員の体験

[ 824字|2019.5.31|社会 (society)|新聞論調 ]

 私は直近の三つの学期で、フィリピン大学ディリマン校の正式な教員として初めて教壇に立った。そこで経験したことや自分の思いを紹介したい。

 われわれは学生たちの一部始終をよく観察している。学生たちがスマホでツイートしていたり、昼寝をしていたりして授業を聞いていないことも知っている。かつての自分たちもそうだったことを思い出し、教員たちはそれを見て見ぬふりをしているのだ。大学の授業で大変なことは教えることではなく、その準備をすることだ。また、われわれは学生たちに教えるだけでなく、彼らを楽しませなければならない。

 インターネットは問題になることもあれば、絶好の機会を提供してくれることもある。学生たちの注意を引きたくとも、スマホから流れる米プロバスケットボールの試合中継やインスタグラムの楽しさと競争しなければならないのだ。私は時々、ユーチューブを使ったりしたが、われわれはこのネットの効用や弊害についてもっと知識と経験を積まなければならない。学生に読書させることは非常に難しい。現在ある多様な誘惑を振り切って読書の習慣とその喜びを身に着けさせることは至難の業だが、そのかけがえのない価値をぜひ伝えたいと思っている。また、学生の心を読み取ることも難しい。学生たちは学業だけでなく、財政的、精神的、感情的な問題も時に抱えている。クラスの中だけでそれは分からず、普段から指導者、助言者として学生に接し、彼らの話を聞ける態勢を作る必要がある。

 比大の学生も以前より富裕層出身者が増えた。大学内の駐車場で車を運転する彼らが教員たちと駐車場所を競う姿もみられる。しかし、財政的に苦しい学生もまだ多く、授業料の免除措置を拡大し、教育格差を減らす取り組みが必要だ。1時間半の授業をこなすための準備は毎日大変だったが、きっとこの思い出は負担だったというより、偉大な特権を与えられたのだと懐かしく思い出すだろう。(30日・インクワイアラー、ギデオン・ラスコ)

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