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4月12日のまにら新聞から

国民は無関心ではいられない ドゥテルテ父子の副業疑惑

[ 790字|2019.4.12|社会 (society)|新聞論調 ]

 ドゥテルテ大統領はこのほど、イロイロ市で演説し、ジャーナリスト団体「フィリピン調査報道センター」が発表したドゥテルテ父子の副業疑惑について反論した。同団体は大統領や娘のサラ・ダバオ市長がそれぞれ弁護士事務所などを経営しており、そこからの収入を資産負債収支報告書に記載していないと暴露していた。これに対し大統領は政治活動以外で得た収入について他人からとやかく言われる筋合いはない、とうそぶいたのだ。しかし、彼らの弁護士稼業からの収入は国民にとって無関心ではありえない。

 同報道センターによると、娘のサラは夫のカルピオ氏と共同で弁護士事務所を経営しているが、この事務所は証券取引委員会に登記していないほか、その顧客に関税局と取引を行うブローカーなどが含まれている。一方、大統領も、弁護士事務所を共同経営しているが、そこでの収入を資産負債報告書には記載していなかった。これについて大統領は、3年ごとに選挙という洗礼を受ける政治家にとって、収入源を確保するために弁護士事務所のような副業を持つことは大切だと説明している。大統領は「選挙で負ければ、どこへ行けというのか」「国民の税金を使っているわけではない。自分の不安を払拭するためであって、お前たちの知ったことではない」と反論した。

 しかし、憲法や共和国法第6713号ではすべての国家公務員らに対して、本人だけでなく、配偶者や同居している18歳未満の未婚の子供も含めた資産や負債、事業収入などを記載した報告書の提出を義務付けているのだ。これらの法律では公務員としての役職に関係するか否かによらず稼いだ収入や蓄積した資産を記載することが義務付けられている。セレノ元最高裁長官が罷免されたのも、本人の一部資産の記載もれがあったことが理由だった。同センターはジャーナリストとしての役割を果たしたにすぎないのだ。(10日・スタンダード)

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