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3月10日のまにら新聞から

デリカシー欠くレッサ氏 ラップラーの思想

[ 635字|2019.3.10|社会 (society)|新聞論調 ]

 オンラインニュース・ラップラーのマリア・レッサ最高経営責任者は、彼女こそが抑圧的な大統領と戦うジャーナリストであると欧米メディアをだますことに成功した。彼女は裕福な米国人だ。フィリピンではメディアを外国人が保有、経営することを憲法が禁じているゆえ、彼女はABS─CBNのマネジャーになるため2004年に比国籍を取得した。

 ラップラーのイデオロギーは米国の新保守主義(ネオコン)だ。米国の政治・経済思想を世界に広めている米ノース・ベース・メディアとオミドヤールの両社から1億ペソの資金を受けて設立され、特に南シナ海の領有権問題で反中国的な米国の立場から報じている。

 存在に憲法違反の疑いがあるだけでなく、キャピタル・ゲインをめぐる脱税疑惑や名誉棄損問題も抱えている。

 彼女が先月、名誉棄損で逮捕された際、在比米大使館は「速やかな解決を願う」との声明を出した。1週間ほど前、米紙ニューヨーク・タイムズはレッサ氏を「自国政府からひどい目に遭っているジャーナリスト」と1面で報じたが、ネット上では比米両国で4万人以上がレッサ氏の比国籍はく奪要請に署名している。

 ドゥテルテ政権にもっと批判的なインクワイアラー紙は、税金未納と政府所有地の借り受け停止を通告されたが、だからと言って言論の自由抑圧だと言ったりはしなかった。

 米国人レッサ氏はデリカシーを欠く。欧米メディアも事実関係の調査をあまりにも怠っている。(6日・マニラ・タイムズ、リゴベルト・ティグラオ)

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