警察は能力向上を バス人質死亡事件
ドゥテルテ大統領は訪中で、2010年に香港の観光客8人が死亡したバス乗っ取り事件を謝罪し、香港の人々に「二度と繰り返さない」と約束した。
10年8月23日、リサール公園のキリノグランドスタンド付近で、バスを乗っ取った元警部の男と人質となった観光客8人は、バスに突入した首都圏警察マニラ署の特別機動隊(SWAT)の隊員らによって射殺された。この事件は人質救出作戦の最悪の手本として、国際的に有名になった。
報道機関などで警察の対応に対する批判が高まると、国家警察の幹部は特殊部隊の再訓練を行うと宣言した。この事件を教訓として、警察はどれほど進化を遂げたのだろうか。その答えは、ドゥテルテ大統領の約束が守られるかどうかにかかっている。
仮に訓練が一つの指標となるならば、特殊部隊は大統領の約束を果たすためになお一層の努力が求められるようだ。次期国家警察長官に内定しているアルバヤルデ首都圏警察本部長はこのほど、首都圏警察ケソン市本部の警察官による訓練を監督し「もっと練習が必要だ」との評価を下した。
とはいえ、これはケソン市の話だ。他の地域の警察はどのような状況だろうか。
アルバヤルデ本部長は今後、国家警察の特殊部隊(SAF)の指導により、各警察部隊の状況に即した対応力を向上させたい意向だ。警察は能力向上につながることなら何でもやるべきだ。マニラ市バス乗っ取り事件が示すように、警察の弱さは人命のかかる深刻な局面で、まさに命取りになりかねない。(14日・スター)