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11月12日のまにら新聞から

これからも警戒を マラウィ復興

[ 632字|2017.11.12|社会 (society)|新聞論調 ]

 マラウィ市の地元住民が、イスラム過激派の残党を捕まえるべく国軍部隊を助けているという。

 過激派の脅威拡大を防ぎ、マラウィ再建の道を開くために、住民の協力は不可欠だ。住民らは、過激派が国内唯一のイスラムの町を破壊し、何千もの住民を避難所に追いやり、生活を破壊する姿を見てきたのだ。

 もし過激派の根が断たれていないなら、マラウィが完全に復興するまでに30年はかかるだろう。外国人戦闘員らがマウテ・グループを支援しており、過激派によるテロ攻撃は今でも国の深刻な問題だ。

 過激派への資金提供網は健在だ。「イスラム国」(IS)はアブサヤフのハピロン容疑者を含む比の過激派との関係を認めている。

 ハピロン容疑者はマラウィで国軍兵士によって殺害され、ISの戦闘員らは本拠地のイラクとシリアからも追い出されている。しかし、ISはまだ終わっていない。米国ニューヨークのマンハッタンで8人が死亡したテロではISが犯行声明を発表した。ISが引き続き東南アジアに拠点をつくろうとする可能性は誰も否定できない。

 マラウィでは過激派勢力がほぼ駆逐され、住民は町に戻りつつある。学校や商業活動も再開し始めた。町はゆっくりと、かつての生活を取り戻そうとしている。

 しかし、たった1人の過激派が町の復興への取り組みを無駄にする。テロへの脅威に立ち向かえるのは、住民たちだ。過激派のいない生活を送るためには、過激派に対してこれからも警戒することが必要だろう。(5日・スター)

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