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11月12日のまにら新聞から

防災力の強化を ヨランダの教訓

[ 594字|2017.11.12|社会 (society)|新聞論調 ]

 タクロバン市の道路に打ち上げられた貨物船は撤去されず、台風ヨランダの犠牲者を追悼する記念碑となった。行方不明者の家族の中には、愛する者がまだ船の下に埋まっていると信じる人もいる。

 2013年11月8日に東ビサヤ地域に上陸した超大型台風ヨランダの犠牲者は6千人を超えた。停電や家屋倒壊の被害のほか、住民の主な生計手段であったココナツやバナナ農場も壊滅状態に追い込まれた。

 国際社会からの多大な支援はフィリピン政府の鈍い対応を埋め合わせ、被災地を以前よりも良い環境にするという議論すらあった。ただ被害の大きさが、復興には時間がかかることを物語っていた。

 それにしても、復興のあまりの遅さには失望する。現地の議員らによると、20万5千戸建設予定の被災者再定住用恒久住宅のうち、政府が建設を終えたのは33%、実際に入居しているのは11・4%にとどまっている。

 専門家によると、ヨランダ並みの台風がまた国内を襲う可能性は高まっている。ヨランダ復興を通じて、政府は地域の災害対応計画を設計しなければならなかったはずだ。政府は復興を通じ、一体どれだけの防災力を養成できただろうか。

 国際社会からの支援を通じ、防災力強化に取り組んだ被災地もあった。ヨランダは未曾有の被害をもたらしたが、もしヨランダの教訓から何も学べなかったとしたら、それはまた別の悲劇となるだろう。(9日・スター)

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