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7月4日のまにら新聞から

信頼を回復するには 新大統領就任

[ 691字|2016.7.4|社会 (society)|新聞論調 ]

 ドゥテルテ新大統領は6月30日の就任演説でこう語った。車の運転は荒い。しかし、「真の変革」はすぐそばまで来ている。だから、一緒に乗ってほしい。

 違法薬物や犯罪対策のほかに、新大統領が挙げた重要課題は、全階層にはびこる汚職だ。大統領選での勝利の後、新大統領が初めて新閣僚や省庁に指示したのは、認可が下りるまでに多くの時間を費やす官僚主義的な手続き、特にビジネスに関する手続きの簡素化だった。

 新大統領は犯罪との闘いにも言及し、持論の「破天荒で違法すれすれの手段」による犯罪撲滅策に反対する意見は聞き入れない方針を示した。国民の安全を脅かす存在に対して、継続して容赦ない法の執行を「妥協せず」に実施していくと宣言した。

 アキノ前政権が受け入れた国際協定などについては、新政権でも尊重するとし、さまざまな反政府勢力との和平実現を追求すると語った。

 新政権の政策については、全て政府、指導部、機関、司法に対する国民の信頼を回復するためにあると述べた。そして「私たちの中から変革が始まる」と断言した。

 大統領は多くの権限を有している。そのため、たとえそれが「荒い運転」だとしても、国民に参加するよう促すことはできる。前任者からは、強力な経済状況を受け継ぐことができる。アキノ前大統領は、インフラ整備や経済政策などで幾つかの困難な下準備を終わらせた。新大統領はその利益をさらに増やし、同時に必要な改革を進めていかなければならない。

 就任したばかりの段階では、新大統領への国民の支持率は高い。国民の政府に対する信頼を回復するという任務も遂行できるだろう。(1日・スター)

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