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6月27日のまにら新聞から

非常大権で解消せよ 深刻化する渋滞

[ 715字|2016.6.27|社会 (society)|新聞論調 ]

 経済的損失は何十億にも上る。即座の解決策もない。そんな状況下にある首都圏の渋滞緩和に向け、政府はドゥテルテ次期大統領への非常大権付与に向けて国会に働きかける方針だ。報道などによると、非常大権付与により、事業実施の遅れを招く調達手続きを回避できるようになるという。

 あるいは次期大統領は、乗客数によって公共交通機関の運転手の日当が決まる歩合制から、固定給を支払うシステムへの移行を実現できるほどの権限を手にすることができるかもしれない。

 この現行の歩合制が、運転手が道路の中央でも公然と乗客を拾い、停留所にとどまっていつまでも出発せず、乗客の奪い合いのために交通上のマナーを守らなくさせるのだ。もはやシステム上の限界とも言わざるを得ないこのありさまに終止符を打つことができれば、市井の人は歓迎するだろう。

 非常大権は次のような効力を発するかもしれない。必要な許可証なく営業し、渋滞悪化を招く横暴運転が慢性化した公共交通機関の撲滅である。

 フィリピン全土に無数の交通機関が走る不可解な現状に鑑みれば、空港や港も含めたインフラ面での改善も必要だ。たとえば首都圏鉄道(MRT)3号線の車両増強事業では裁判所による発注差し止めなどで調達時期が遅れた。まさしく政府の無能を象徴しているような事業で、「真っすぐな道」を提唱するアキノ政権下において、同事業で汚職疑惑が浮上したのも由々しい事態だ。

 MRT事業から得られた教訓は、調達に関する法律を免れるいかなる動きも見逃してはならないということだ。

 国民は首都圏の渋滞が危機的状況にあることを悟っている。ドゥテルテ次期政権は非常大権を適切に使うべきだ。(21日・スター)

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