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5月30日のまにら新聞から

浸透する麻薬文化 音楽祭死亡事件

[ 728字|2016.5.30|社会 (society)|新聞論調 ]

 大統領選で犯罪対策、特に麻薬取引の撲滅を唱えるドゥテルテ・ダバオ市長が圧倒的に支持されたことからも分かるとおり、フィリピン国内の麻薬問題は深刻だ。

 21日に首都圏パサイ市の商業施設、モール・オブ・アジア(MOA)で開催された野外音楽祭で5人の参加者が死亡した事件は、国内に麻薬文化が浸透し、公共の場でも容易に違法薬物が手に入る現状を浮き彫りにした。

 5人はそれぞれ、会場の別の場所で意識不明の状態で見つかり、数時間後に病院で死亡した。検死の結果、数人は心臓発作だと分かった。国家警察と国家捜査局(NBI)が個別に捜査を進めているが、現在のところ、薬物の過剰摂取が死因と正式には発表されていない。

 コンサートの主催者は、犠牲者に哀悼の意を表した上で、コンサート中は「厳格な警備態勢と防止策を取っていた」と説明。捜査への協力を表明した。しかし、会場に警備員は配置されておらず、野放し状態だったとの報告もある。参加者は受付で氏名と年齢、メールアドレスを告げるだけで身分証明証の提示は必要なかったため、未成年は容易に入場できた。持ち物検査は手に持っているかばんだけだったので、服の中に麻薬や飲み物を隠すことができたし、アルコールは会場で販売していた。5人は「エクスタシー」や「シアリス」といったパーティードラッグをカクテルに混ぜて飲んでいたという情報もある。これらの薬物はインターネット通販で簡単に手に入る。麻薬取締機関は優先して監視すべきだ。

 民営のイベントでも警官が取り締まりを行えるよう規則を改定できないか、また、麻薬探知犬や私服警官を会場に配備できないか。大統領府麻薬取締局(PDEA)は徹底的に検討すべきだ。(26日・インクワイアラー)

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