準備不足の改善を 台風マリオ
台風マリオ(16号)のフィリピン上陸は、豪雨や強風への政府の準備がいまだに不足していることをあらためて明らかにした。今後、より強い台風や津波、地震がこの島国を襲ったらと思うと恐ろしくなる。
台風で一部地域が洪水になることは仕方がないとしても、上陸前に水路の障害物やごみを取り除いておく努力を怠っていることは見過ごせない。
首都圏開発局(MMDA)は水路のごみを取り除き、常に水路が機能していることを保障するべきではないか。水路の清掃という地味だが重要な役割は、市町、バランガイ(最小行政区)といった自治体にも課されている。
もしMMDAだけが作業していて自治体が協力していないというのなら、強く抗議すればよい。その時はメディアもともに声を上げ、自治体の怠慢を暴き立てるだろう。
川にごみを捨てるような無責任な人間がいれば、自治体は規制すべきだし、洪水対策に後ろ向きな自治体があれば、MMDAは圧力をかけるべきだ。放っておけば、洪水は病気や環境悪化の要因になる。
中には台風への対応で称賛に価する自治体や機関もある。首都圏マリキナ市は、氾濫しやすいマリキナ川沿いの住民を事前に避難させた。
アキノ大統領や直近の閣僚は今回の台風に心を動かされなかったようだ。しかし、死者は小数にとどまったものの、数十万の国民が避難し、家屋の損壊や喪失を経験している。彼らは切実に助けを必要としている。
次の台風までに政府、特にMMDAは自治体と協力して効果的な災害対策を用意してほしい。洪水対策をしっかり行い、被害を最小限にとどめることが必要になってくる。(21日・タイムズ)