「日刊まにら新聞」ウェブ

1992年にマニラで創刊した「日刊まにら新聞」のウェブサイトです。フィリピン発のニュースを毎日配信しています。

マニラ
33度-24度
両替レート
1万円=P3,800
$100=P5870

9月1日のまにら新聞から

懲りない幹部の汚職 食糧庁のコメ輸入

[ 721字|2014.9.1|政治 (politics)|新聞論調 ]

 農務、運輸通信両省の幹部が汚職に手を染めアキノ政権と国民を食い物にしているが、大統領は沈黙したままだ。

 パギリナン大統領顧問の調査で、国家食糧庁によるコメ輸入取扱業者推薦をめぐる汚職が明らかになった。フィリピンは最近、ベトナム国家食糧公社から80万トンのコメを輸入した。貨物取扱業者の選定では、法律で定められている一般競争入札を実施しておらず、取扱料金を10億8千万ペソも水増し請求していたことが分かった。

 食糧庁側は貨物取扱業者を名簿から選んだのはベトナム側だと反論しているが、名簿にはそもそも問題の業者1社しか記載されていなかった。この取引が行われた時のカラヤッグ同庁局長はアルカラ農務長官の古い知人で、一時米国籍を得て定住していたが、アルカラ氏の長官就任後に帰国、比国籍を再び得て二重国籍となり、食糧庁の理事に就任した。

 また、運輸通信省でも特に首都圏鉄道3号線をめぐる汚職は深刻だ。過去3週間だけで3号線は水汲み上げポンプの不調による冠水、通信システムの故障、配電故障などによって何度も運行を停止した。

 アバヤ運輸通信長官は早期修理を約束するだけで、保守作業に関する具体的な解決策について何も明らかにしていない。毎月140万ドルの保守点検費用が支払われているにもかかわらずだ。

 故障が頻発する真の理由は保守請負業者による点検作業の不履行にある。実は現在の保守請負業者はアバヤ長官の親友のデラクルス氏が社長を務めている。同氏の企業は最初、日本の保守請負業者から12年10月に保守事業を引き継いだ際、資本金62万ペソという零細企業だったが、現在は与党の有力資金提供者だ。(29日・スター、ジャリウス・ボンドック)

新聞論調