取り締まりに全力を
相次ぐ襲撃事件
統一選を約3週間後に控えた今、捜査当局は銃器の取り締まりに全力を尽くすべきだ。
22日、ルソン地方アブラ州ドロレス町で、与党連合の地元リーダーを務める男性が射殺された。同じ日に、ミンダナオ地方サンボアンガシブガイ州では、地元ラジオ局の男性アナウンサーが射殺された。
これらの事件は、20日夜に同地方東ミサミス州ギンゴオグ市で起きたギンゴナ元副大統領の妻、ルーシー・ギンゴナ同市長襲撃事件のすぐ後に起きた。襲撃をしたフィリピン共産党の軍事部門、新人民軍(NPA)の武装解除は無理だとしても、選挙期間中なのだから、捜査当局はもっと厳しく取り締まれるはずだ。
本格的な選挙運動は、首都圏ケソン市で1月、統一選で再選を目指したイサベラ州マコナコン町の現職町長の射殺事件とともに始まった。この事件を機に、各地で選挙絡みの暴力沙汰が続いている。
特に、地方選では、暴力は日常茶飯事と受け流す人もいる。そうであってはならないのではないか。暴力は、民主的な選挙における人々の自由な意思を損なう。武力で脅し、活動資金を巻き上げるのは、選挙の破壊を意味する。
武力による威嚇は、政敵や批判的なジャーナリストの抹殺につながりかねない。
警察と軍、地方自治体は、選挙期間中の銃器規制の徹底を期待されていた。しかし、地方当局者と彼らを警護する警官自体が、公然と銃規制に違反している現状をみると、規制の実施はとても無理だ。この国の銃規制は厳しく、刑罰の最高は終身刑となっている。しかし、法は執行されなければ、意味がない。(24日・スター)