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2月25日のまにら新聞から

根拠はあるのか

[ 725字|2013.2.25|社会 (society)|新聞論調 ]

ガソリン値上げ

 消費者は、2月に入って3回目となる今週のガソリン値上げに、疑問を抱いている。異常な高値に、根拠はあるのだろうか。

 不可解なことは、同じ時期にマニラ電力(メラルコ)が、料金を値下げしたことだ。電力も石油産業も、共に輸入原油に依存していることは、周知の事実だ。電力業界が値下げできるのに、石油業界は逆に、なぜ値上げをするのか。

 季節要因で、原油価格が上下に変動するのは常識である。一般的には、世界の多くの地域に寒波が襲来する年末にかけて、原油価格は上昇する。多くの家庭、事務所、工場で暖房のために、エネルギーを消費するからだ。原油価格の変動には他の要因もあり、原油の大部分を供給する中東情勢が平穏であれば、低価格で安定的に推移する傾向がある。

 かつて、フィリピンの消費者は石油価格安定化基金によって、ガソリン値上げを事前に知ることができた。同基金は、世界市場における、石油価格の乱高下に対する緩衝役を果たした。しかし、このような仕組みは、市場に価格の決定を委ねる「石油価格自由化法」の導入で、姿を消した。

 長年、石油価格自由化法の撤廃と価格安定化基金の復活が叫ばれてきた。いずれの提案も極論と受け止められるだろうが、消費者には問題の解決策が必要なのだ。1カ月に3度のガソリン値上げは、一般家庭にとって厳しい。

 運送業界は、価格高騰に対して、ストも辞さない強硬な姿勢を示している。しかし、大多数の消費者は、その考え方も行動も理性的である。原油価格が決まる背景に、多様な要因があることを知っているからだ。

 いま、消費者が望んでいるのは、石油会社が値上げを続ける理由を簡明に説明することだけだ。過大な要求だろうか。(20日・タイムズ)

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