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12月10日のまにら新聞から

危機意識を持とう

[ 730字|2012.12.10|社会 (society)|新聞論調 ]

 環境天然資源省幹部によると、国内で土砂崩れや洪水の危険を抱える自治体に対して、2006年時点ですでに被害に注意するよう警告が出されていた。その中には、今回の台風パブロで甚大な被害が出たミンダナオ地方コンポステラバレー州の山岳地域や近郊のニューバタアン町も含まれていた。同町では、土砂や流木、がれきに埋もれた多数の死体が見つかり、収容するひつぎが足りなくなった。

 台風パブロが襲来するまで、周辺住民は大きな台風を経験したことがなく、また、近くに河川がないため、洪水災害はないだろうと油断していた。しかし、台風パブロによる大雨で、大量の土石流が山から押し寄せた。

 こうした土石流災害の原因として、零細金鉱業者による違法な開発や森林伐採が指摘されている。昨年12月中旬、やはりミンダナオ地方を襲った台風センドンにより、特にカガヤンデオロ市とイリガン市を大洪水が襲い、1268人の死者が出た。今回は、その被害にほぼ匹敵する悲劇の再来となってしまった。

 今回の災害ではとりわけ、違法伐採の影響が大きかった。山岳地で違法伐採され、放置されていた木材が下の町や村落に押し寄せ、壊滅的な被害をもたらしてしまった。行方不明者が発見、救出されなければ、犠牲者の数はセンドンと同じ数以上に達するだろう。

 台風センドンの後、カガヤンデオロ市の住民は最悪の事態にどう備えるかを学んだ。各地の住民たちも一刻も早く同様の備えを学ぶベきである。地方自治体のリーダーたちは6年前に環境天然資源省が配った「地質災害予想地図(ジオ・ハザードマップ)」を十分に研究し、これ以上被害者を出さないようにすべきだ。環境破壊と危機意識の無さ、この二つが災害を作り出すのだ。(8日・スター) 

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