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11月26日のまにら新聞から

実現は不可能

[ 732字|2012.11.26|社会 (society)|新聞論調 ]

文字メール返却命令

 われわれのほとんどが1台以上の携帯電話を持っている。2、3台持っている人はグローブ、スマート、サンの3社で使い分けているだろう。場所によって通信会社の電波の強さが違うので、理にかなっている。利用者としては、各社のプロモーション戦略は特に気にならない。私はグローブのSIM(契約者情報 IC)カードを何年も使っている。サービスの質は確かに完璧とはほど遠い。でも、必要な時に連絡がとれればそれで満足だ。

 文字メール料金の値下げだけでなく、過去にさかのぼって料金を返金してくれるという国家通信委員会の命令には、喜ぶべきだろう。最大の問題はその方法だ。私はプリペイド式を使っている。1カ月あたりのロード代は約500ペソ。20%が払い戻されるということだから、1カ月100ペソということか。果たしてグローブは私に100ペソを返金してくれるだろうか。そうは思えない。スマートでも同じだろう。実際のところ、同委員会の命令は「牙の抜けた虎」だ。たとえ両社が全利用者の全ロード記録を保管していても、もれなく全員に返金することは物理的に不可能だ。

 私は数年前、携帯電話を紛失した。2年は使っていたので、そのSIMカードで1万2千ペソはロードを使ったと思う。命令に沿えば、2400ペソが返金される。しかし、誰かが私の携帯電話を拾い、中のSIMカードを取り替えてしまったに違いない。そのまま携帯電話を闇市で売ってしまったかもしれない。

 携帯電話を紛失したことがあるのは私だけではない。なくなった携帯電話のSIMカードが費やしたロードは数十億ペソに上る可能性もある。どうやって元の持ち主に返金することができようか。実現不可能だ。(23日・タイムズ、ベティン・ライゴ・ドロル氏)

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