徹底した浄化を
相次ぐNBIの失態
逮捕された容疑者が捜査員を訴える事件が相次いでいる。国家捜査局(NBI)の失態で、国民は捜査員に対する告訴内容を事実と信じるようになったからだ。
ガッドゥラ前NBI局長が1月、ルソン地方パンガシナン州で日本人女性を拉致し、身代金を受け取ったとして更迭された。前局長を含む複数のNBI捜査員が現在、司法省の調査を受けている。
前局長更迭から2カ月、司法省は別のNBI捜査員の悪事について直訴を受けた。今回、捜査員は、違法に会社事務所を捜索し、被害者2人を拉致した上で恐喝したとされる。直訴の主は、日本人の夫を持つ比人女性と、ナイジェリア人の2人で、犯行に関与したとされる捜査員の中に、現職幹部と元幹部の2人が含まれている。
捜査員は2011年3月、ナイジェリア人を拘束するためとの名目で、ルソン地方カビテ州にある比人女性の会社事務所を捜索した。女性とナイジェリア人を拉致し、首都圏マニラ市のNBI本部へ連行。事務所にあった現金や宝石、ノートパソコンなど50万ペソ相当も持ち帰ったという。
捜査員らは、女性に解放と引き替えとして50万ペソを要求し、最終的に30万ペソで決着した。さらに女性の現金自動預払機(ATM)用カードを使い、3万5千ペソを引き出して使ったとされる。
女性は、「前局長更迭の情報を知り、直訴しようと決めた」と話している。女性の話が本当ならば、捜査員の悪事を追及するため直訴した勇気は称賛に値する。前局長更迭に続く今回の事件は、NBIの捜査員が刑事犯罪に関わるスキャンダルが常態化していることを示唆している。これを機に、徹底した浄化を行うべきだ。(11日・スター)