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10月3日のまにら新聞から

エネルギー貧困を防げ

[ 729字|2011.10.3|社会 (society)|新聞論調 ]

電力コスト引き下げ問題

 比はアジア、おそらく世界でも最も電気料金が高い国だ。政府が電力コストの削減政策を優先事項としていないことに懸念を覚える人々が増えてきている。先週、財界と労働組合、経済政策提言機関の代表が集まり、電力コストを下げるために政府に戦略的行動計画を立案するよう要求した。

 今や、この電力コストは貧困を引き起こす主要な要因となっている。電気代が高騰すると消費者は、食料や教育といった重要な出費を抑えて電気代に回すなど、家計簿をつけ直さなければならないのだ。このような現象は「エネルギー貧困」と呼ばれる。

 現在、政府は電力需要を満たすための発電量確保に力を入れている。もちろん停電に見舞われることほど大変なことはない。しかし、これまで長い間、われわれは高い電気料金を引き受けて電力需要を満たすための方策に力を入れすぎたのではないだろうか。

 マルコス政権が崩壊した1986年、コラソン・アキノ政権はバタアン原子力発電所とチコ川水力発電所の2大事業を凍結し、電力政策を立案・施行するエネルギー省も廃止してしまった。この後、80年代後半から90年代初めにかけて発電不足に伴う大停電時代を迎えたのである。次のラモス大統領は電力不足解消を優先事項に定め、就任1年目から非常大権の付与を国会に求めた。発電部門での十分な利益回収を投資家に約束して、エネルギー不足は確かに解消したが、それは消費者に高いつけを払わせるものとなった。

 政府は現在、再生可能エネルギー事業に助成金を支給しようとしている。これは「固定買い取り制度」と呼ばれるが、市民団体などは反対を表明している。電力コストを下げない限り投資家誘致などは無理だろう。(9月27日・スター、アレックス・マグノ氏)

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