迅速な対応を
石油価格高騰
アキノ大統領が就任して以来、ガソリン価格は1リットル当たり12ぺソほど値上がりした。今週には2008年9月以来となる最高値を付けた。当時よりも状況が悪いのは、今後さらに値上げが予想されることだ。
この問題はアキノ大統領ならずともいかなる政権であってもコントロールできないことであるのは事実だ。中東の政情不安が石油供給体制を不安にさせ、経済の不透明性を深めた。先月に日本で起きた大震災もこの不透明性をさらに悪化させている。ほどんどの国が石油を輸入に頼っているため、この不安定な国際市場が国内の経済状況を左右するのは仕方がない。
しかし、だからと言ってこの石油価格の高騰から国民を守ることが政権には出来ないということにはならない。まず、現政権は石油製品に課せられている付加価値税に対する政策を見直すことが出来る。アキノ大統領は最近、石油に対する付加価値税を撤廃すれば、石油に対する需要が高まり、逆に価格が高騰すると説明した。同税撤廃は中流階級を利するだけだとの議論もある。しかし、軽油の小売り価格が近い将来50ぺソに達した場合、付加価値税を撤廃すれば44ぺソになり、昨年7月の水準よりかなり高いものの、少なくともバスやジプニーの運転手の負担を軽減することにつながるのは確実だ。
政府の公共交通機関に対する補助金制度も、様々な批判にさらされているが、このような実験が一応の成功をもたらせば、政策を実施したこと自体が評価されるだろう。
石油元売り会社の帳簿も公開させ一斉かつ一律に値上げする根拠が本当にあるのか証明させることも必要だ。国民から選ばれた政府は公約を実現させるだけでなく、突然の危機に直面した際に素早く対応する力も求められているのだ。(15日・インクワイアラー)