不正投票の芽
無策露呈の中央選管
電子投票による次期統一選(5月10日実施)で起こり得る不正の芽が出ているにもかかわらず、中央選管は依然、黙殺を決め込んでいる。有権者数と同数の投票用紙印刷が続く中、有権者の多重登録が発覚。水増し投票が確実視されてもなお、多重登録者除去に向けた具体策は取られていない。「ビッグ・フォー」と呼ばれる不正投票を画策する犯罪組織のリーダーたちの存在も、選管委員らが知らないはずがない。
カトリック教会系選挙監視団体はすでに、多重登録に関する調査結果を中央選管に提出済みだ。この中から幽霊有権登録者を見つけ、除去するのは簡単だ。しかし、一部の選管委員は、「多重登録は複数回投票に向けた意図的工作ではない」と発言。実に粗末な言い訳だ。選管の権限外との主張もあるが、意図的かどうかは別として、多重登録の有権者をリストから除去することが先決だ。投票当日に各投票所で不正を阻止するという水際作戦では、大規模不正を防げず、逆にその機会が拡大してしまう。
さらに、自動読み取り機が、投票用紙の真偽を示す紫外線高感度インクを使った不正防止マークを読み取れないことが発覚。それでもメロ委員長は電子投票選挙の成功を保証する。3月29日には印刷済みの投票用紙のうち2割がテスト段階で読み取りが不良。中央選管は手作業での判別作業のため7万6千台の携帯型紫外線読み取り装置の購入を発表。
なぜ紫外線読み取り装置の購入数を投票用紙読み取り機と同じ8万2千台にしないのか。予備用の読み取り機数千台はどこにあるのか。中央選管は首都圏に保管しているという。なぜ首都圏なのか。中央選管の疑わしい姿勢こそが問題なのだ。(3月31日・トリビューン)