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1月12日のまにら新聞から

不安定な平和

[ 712字|2009.1.12|社会 (society)|新聞論調 ]

イスラエルのガザ侵攻

 世界のキリスト教徒が平和の到来を祈った年末、中東地域では新たな暴力行為が起きた。昨年十二月二十七日、パレスチナ自治区ガザで、パレスチナ強硬派、ハマスに向けたイスラエル軍の空爆が開始された。ハマスのロケット弾攻撃への報復という。国連は介入を控え、三日夜にはイスラエル陸軍がハマス支配のガザに侵攻した。

 侵攻はパレスチナ和平に暗雲をもたらした。ハマスは二〇〇六年一月、パレスチナ総選挙で第一党となり政治の実権を握った。有権者はハマスの福祉面などでの活動を評価し、主流派だったファタハ派は有権者からそっぽを向かれた。

 ハマスの最終目標は、イスラエルを地球上から消し去り、パレスチナ人による国家を樹立すること。ハマスは目標に向けて、自爆テロと武装集団によるイスラエル軍施設や同市民への攻撃を続け、「国際テロ組織」とのレッテルを張られた。

 最大の問題はそうしたテロ組織がパレチナを代表する政府として合法的に登場したこと。パレスチナ人側がイスラエルを抹殺しようとしたら、イスラエル政府はそれを座視はしないだろう。 

 イスラエルが国際社会を味方に付けようと思うなら、武力での報復措置をやめねばならない。空爆開始以来、パレスチナ人の死者は増え続けている。

 それはイスラエル軍が近代兵器で武装し、的確に標的を攻撃しているためだろう。その一方で、イスラエル軍側の無慈悲なガザ攻撃を非難する声も高まっている。建国以来、その存亡を常にかける戦いを続けてきたイスラエルは、非難には慣れ切っている。戦闘の即時停止はパレスチナ、イスラエルの双方にとりいいことだ。双方に望まれるのは「自制」である。 (5日・スター)

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